「釣り探検隊」を観て「がま磯 スーパープレシード」ゲットへ。グレ競技スペシャル4・デニオス・アテンダー2・マスターモデルと比較。

スーパープレシードに関心をもったきっかけは釣研のどんぐりウキ・エイジアの使い方を動画で学ぼうとYouTubeを検索したことだった。大分の体格が立派な磯釣り師の「清ちゃん」氏の動画「釣り探検隊」にたどり着き、有田氏ら濃いめの登場人物に当初は違和感を感じつつも、ずっと観つづけているうちにハマってきた。

そしてゲスト登場?されている猪熊氏がおすすめしており清ちゃんらが使っているのをみているうちに、がま磯の22年新製品「スーパープレシード」が気になってきた。こちらの動画の狙い通りに私はカモとなりそうである笑(編集部注 22年末のセールで一本購入)ところでこのスーパープレシード、がまかつのサイトには開発に携わった猪熊氏の説明としてこのようにある。

猪熊氏(出典=東レ)

 

昔、僕は「プレシード」の後継機種、「プレシードスペシャル」から使ってました。平成5年くらいかな、もう28年前ですね。僕がフカセ釣りに熱を上げ始めた頃です。だから僕の中では思い出がある竿なんですよ。駆け出しでいまの「フリーフォール」という釣り方の微塵もないときでしたね。
当時、がま磯最高峰の初代「インテッサ」が先行していて2番手に「プレシードスペシャル」という位置づけでした。初代「インテッサ」は最高峰だけあってパワーのある、いわゆる強い竿というイメージ、それとは真逆の胴に乗って魚をいなすような、そういう魚の引きを味わえる竿で、対照的な最高峰と2番手という存在でしたね。それがその後「レイダム」に変わって、爆発的にヒットした「アテンダー」に受け継がれるんです。 それなら昔の名竿を最新鋭のカーボン素材と最高の技術でよみがえらせればさらに魚の引きを楽しめる名竿が誕生するという面白さがあったんで開発チームに持ちかけました。

昔のプレシードスペシャルは具体的にはどんな竿でしたか?

取り回しがしにくく持ち重りがする、操作性も良いとは言えなかったですね。ところが、魚を掛けるとこの竿の良さが分かる。魚をいなすというのが楽しかったです。だから取り回しよりも魚を掛けてからの良さが上回っていたような竿です。掛けてから竿全体で魚を乗せるっていうような竿。いわゆる胴調子のようですが、それよりももう一段も二段も曲がり込むイメージです。がまかつではそれを“本調子”って言ってますね。大きな魚になればなるほど、暴れないというかゴムのような弾力を発揮する感じで僕好みでした。とにかくきれいに美しく曲がりましたね。 同時に初代の「グレ競技スペシャル」も使ってましたけど、これは競技志向というか抜群の取り回し性能があって名竿中の名竿ですけど、魚を掛けてからの楽しみは僕の中ではプレシードスペシャルが一番でした。竿というものは、それぞれに味付けが違うんですよ。それぞれに対極化していると幅が広がるんですよね。

 名門国立大学理系卒のがまかつテスターである猪熊氏の言葉は感覚的な適当なものではないと当方は感じ、近くの釣具店で現物をしっかりチェックしてみたいという気持ちに駆られた。ところで私はマスターモデル口太2のMH を保有しているので、買うならばそれよりも低い号数の1号か高い号数の1.5〜2号で検討して見ることにした。

 わかりやすく1.5号から比較してみる

 スーパープレシード、アテンダー2、グレ競技スペシャル4、デニオスの4本で全て1.5号の53で比較。

がま磯デニオス 1.5号53

 キャッチフレーズは「細身肉厚設計」とある。これどっかで聞いたことがある。かつてのアテもマスターも同じようなキャッチフレーズだったような?アテンダー2をベースに開発されたので「アテンダー2改」あるいは「実質アテンダー3」は言い過ぎか。

 53を持って気になったのは重さのバランスで見た目の割にやや自重が前のほうにあるように感じた。50なら違うのかもしれないが。不確かかもしれないが、東レの新素材であるトレカは竿先の方だけで採用されているとのこと。

 アルデナと同じ樹脂ガイドを穂先に採用。竿を揺らしても穂先がこちょこちょ動いている感じがなく、竿一本がしっかりしなる感じがしっかりしている感じがしていい。

 だがそれら以外にこれといった面白味というか、特徴が感じられない。このロッドはがまかつにありがちな感じだ。まあがまかつ的に無難な竿。だったらアルデナでいいかな?価格も3万円も安いし。というような気持ちになる。

 初代アテみたいにパワーはあるんだろうか??まあありそうな気はしたけれども‥曲がりや操作性は初代アテンダーに近い雰囲気を感じた。竿のデザインは今回比べた4本の中では最も秀逸だと思う。得に元竿の口金と刻印などのデザインは洒落れていていいと思った。

がま磯グレ競技スペシャル4 1.5号53

 当方はグレ競技スペシャルIIIの1.5号53を愛用しているが、取り回し・操作性の良さで非常に使いやすいロッドである。サブで持っていくにしてもこれがロッドケースに一本あるだけで安心感が備わる。競技は磯竿が持つ特有のだるさが嫌いな方には魅力に映る竿なのかもしれない。こちらのグレ競技4は全体的にピンシャンとしており非常に張りが強い竿だ。3と比べてもとてもピンピンとしている。東レの新素材トレカに加え別の弾性の高い素材「M40X」を組み合わせたということで、このような味付けになるんだろう。

 グレ競技は細いハリスで大物を掛けじわじわ弱らせて取るというがまかつの王道スタイルの竿ではなく、ハリスのサイズに見合った魚を掛けたらさっさと釣り上げましょうね、という名前通りのトーナメントスタイルの味付けなのだと思う。

 釣り探検隊の方がこの竿をメインで使われているが、動画を見る限り、50代の磯ベテランの方の取り回しにもかかわらず、ハリス切れ、ハリ外れが頻発しているなあという印象がある。オールラウンドに使うというよりも足元の中・小型に特化した方がこの竿の特性を発揮させられるのかもしれない。持ち重りはデニオスほどは気にならない。ちょっと派手目な装飾は好みが分かれるだろう。

 8万円ぐらい出せる人で、胴調子嗜好の人はデニオス、先調子派はグレ競技と分ける形になるのだろう。

がま磯アテンダー2 1.5号53

 2011年の発売から今年で11年になるが、未だ店頭に数並んでいる。言わずと知れた名竿だ。がま磯で東レの新素材を採用できていない現行製品はもうアテ2だけかしれない。この竿は元竿(5番)に4軸カーボンを採用している。特性として魚を掛けるとすぐに手元(5番)まで曲がっていなすところにあるが、最後の5番でしっかり魚を持ち上げるのだ。

 先ほどのグレ競技シリーズと比較するとグレ競技はピンピンしているのでタメが効かず、パワーのある魚が掛かると浮かせるまで時間も掛かる。下手に反発だけはあるので細ハリスだと切られるケースが多いのだが、アテンダーは細ハリスをいたわりながらじわじわ浮かせる力のある竿だ。胴調子でも不思議と、さほどだるさは感じられず操作性は悪くはない。

 もう売ろう売ろうと思っているが結局は手放せない、それがアテンダー2だと思う。

がま磯スーパープレシード 1.5号53

 そして新発売のスーパープレシード。グレ競技のような先調子とマスターやアテのような胴調子の中間ということなんだろうか?本調子が売りということで、操作性と小魚を掛ける程度では先調子、大きな口太や尾長が掛かると4番まですっと曲がり込む。5番まではいかない。5番までいくのは4番でしかりパワーを受け止めてからだ。そこがマスターやアテンダーとの違いだ。

 当方がスーパープレシードを構えると1.5号以下の細号数では穂先がずっとプルプルプルプルしている。あまり気持ちが良くない笑。2番から穂先にかけてはダイワのメタルトップ竿のような感じがする。本当に1.5号なのだろうか?剛性がなくヘナヘナしたような感じがする。だけど3番から4番は腰がしっかりしている。おそらく柔軟な調子に見えながら、大きな魚がかかったら3、4番で溜めるんだろう。持って振ってそのように感じた。

 1.25号のインプレは以下を参照。

 

 ■スーパープレシード1.25号5.3mとグレ競技スペシャル4 1.25号5.3mとの錘比較
100匁の錘を吊り下げての比較です。
調子はアテンダーやマスターモデル2のような5.5:4.5調子ではなく、比較しているグレ競技スペシャル4のような7:3操作性、曲がり6:4といった印象の調子で、そこに元竿(5番)と4番の強さが加わったように思います。
実際の体感としてはスーパープレシードの方が強く張りがあるように感じたのですが、画像を見比べてみると元竿~4番でも負荷を受け止め竿が曲がっているのがお分かり頂けるかと思います。
これは新たに搭載されたイナシステムの恩恵であると言わざるを得ません。

https://www.turiguno8010.com/eshop/items/precede/

 

 これらの竿はいずれも8万円から10万円クラスの非常に高額な竿ということになるのだが、ここまでのハイレベルなら最早8万円でも10万円でも金額的にはそこまで変わりはない。だからこそわざわざ高い金を出してまで入手するに値するだけの魅力を感じられそうなのはSPプレシードだと思った。

 スーパープレシード 使うなら2号か1.75号

 1.5号はなんだか頼りない感じがしたので、それより上の号数と比較してみた。まず2号を持って見ると、この2号は対尾長用ということだが竿のバランスが非常に良い。軽めの2号という印象だ。高知のテストでは2号がメインだったとのことで、尾長竿としての完成度は高い。マスターモデル尾長の操作性が嫌という人にはスーパープレシード2号と比較して見るといいと思う。

 当方は伊豆諸島で使うことを考えてダイワトーナメントISO AGS2号(あるいはHR)を検討していたが、20トーナメントになり16モデルと比べ価格がアップした。そしてデザインがこれも好みが分かれるだろうが意味もなく派手になった。某店で7万8000円で置いてあるのを目にしたが、ショップの平均は大体8万円台前半である。

 16年モデルを探しているが、人気があるようでなかなか良い状態のものが出てこない。未使用で5万円ぐらいでないだろうか??そして16は良竿だっただけに20にそこまで魅力が感じられない。そのため20トーナメントにするならば、それより2万円高いけどS Pプレシードにしようかなと考えたりもする。

 1.7号をどこで使えばいいか

 1.5と2の中間、1.7なら離島だけでなく内地でも十分活躍できるのではないか?そう思って1.7を伸ばしてみたところ、思った通り、1.5の繊細さと2のしっかりした部分の両方が備わっているように感じられた。伊豆諸島の北部なら1.7はベストだろう。だがセンティオ1.7号がお気に入りだけに、どうしたものか。

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