年末離島ファミリーフィッシング6 式根島 野伏桟橋 白灯

大晦日に式根島野伏でカゴ釣り

 2022年の大晦日である。宿を0600出発し白灯(白銀灯のある方)へ到着。出発が少し遅いかもと気を揉んでいたが現地到着すると先客は誰もいない。気合いが足らん気がするなーとは送ってくれた宿の方。西の風が回り込んではいるが釣りができない状況ではないのだ。

 もちろん北向きのカドを取る。さっそくカゴ釣りの準備を開始する。タックルは以下。

  • ダイコー 籠遠投槍雅 4-585
  • アブ6500CSロケットガンナー
  • カゴ 渚の遠投師 15号
  • ライン レグロンインターナショナル6号
  • ハリス ブラックストリーム6号
  • ハリ プロマダイ8号

 シマノクーラースペーザは両軸遠投カゴ釣りに特化したクーラーとしてスコネットの脱着式プレートの竿掛けを装着。昨日は竿受けだけ忘れてしまいこれが、あるとないとで手返しが格段に変わってきてしまうから必須アイテムである。ところがまだ西の風強くその勢いで竿は簡単に45度ほど旋回してしまう。槍雅は太くて重い竿であり急に回ると海へ落としてしまいそうな感覚に陥る。

 シーズンオフかもしれないが真鯛狙いとした。まずつけ餌をつける前にコマセをつめたカゴだけで数投同じ場所へ投げる。その後エサをつけて二投目でウキがボソッと沈む。上がってきたのは40弱のイサキ。タナは10メートルくらいである。竿2本だが、真鯛を狙うにはとここから少し深くした。

全層釣法に完敗

 このタイミングで3人組を乗せた釣りグルマが到着する。中からは昨日堤防でさんざんイズスミを釣り上げていた釣り師がでてきた。少し話しかけたが無口なのか?と思っていたが3人の会話から理解できた。日本語がカタコトしか通じないチャイニーズ釣り師たちであった。

 当方を囲むように釣り座を構えるからまた密になった。そこまで接近しなくても釣りはできるだろうに。彼らはみなフカセであり同じポイントに一斉にコマセを撒くのでカゴのポイントが無意味になった。物量作戦には勝てないのだ。

 人員配置図。赤が中国の3人組で、囲まれている青が私である。それぞれの仕掛け投入図も記載した。ヒットポイントは✖️で示した。潮の流れが黄色で右から左。式根島野伏で釣れる潮である。私の右手のA氏がラインをガンガン流すため当方のカゴ仕掛けと交錯する。ただし中国人グループは経験豊富な人たちのようでそこはうまく交わしていく。

 中国人A氏が大きく竿を曲げてやりとりを始めた。私の釣り座を通ってもらって先端で3分ほどの格闘の末上がってきたのは47.8クラスの尾長である。久しぶりにこのサイズを見た。10年くらい前の三宅島サイズである。もう三宅ではなかなか釣れないと思う。

 三宅のことを思い起こしたのはそ彼の仕掛けと釣り方である。三宅では激流の中の尾長を釣るのに流れの強さから普通のウキでは対応できないので、仕掛け全体を沈めて手元で当たりを取る天狗ウキを使用した仕掛けを用いることが多い。中国人A氏は天狗ウキではないが同じ原理の仕掛けを使っていた。ラグビーボールのようなデカいシンカーのようなウキにハリスは30センチも取らない仕掛け。キザクラの沈めウキを使った全層釣法である。

 内地ではおそらくあまり活躍の場がない全層釣法だがこの激流なら最強のカードである。彼はおそらく100m前後流していた筈である。私がカドに陣取っている限り仕掛けが交錯してしまうのと、カゴの効果があまりないと考えてフカセタックルに替えた。もう配合材がなくほぼオキアミオンリーだったが潮の流れを考えればオキアミ単体のパラパラ撒きで大丈夫と踏んだのだ。

 だが沈め専門のウキは用意してきておらず、離島用というよりも内地で使うような仕掛けしかもってきていなかった。初日の地磯は大した本流もない場所なので対応ができたが、この場所では違うのだ。帰りの船まで時間もないのでもうこのままフカセで工夫して釣ろうとした。

 だが潮が0930頃に止まってしまう。中国人3人組はクルマにもどって状況を観察しながら朝ごはんを食べている。レンタカーを借りるとこういうことができるので便利である。

 1000に潮が反転し向きは左から右になった。先ほどわたしを囲むように釣りをしていた中国人たちはさつさと潮下にあたる右側へ散り、わたしの釣り座はもっとも潮上で彼らに兵糧を供給するような立場に転落した。その後の釣果は足元に群れていたタカベのみ。なおこの潮に変わってから30分後には乗船準備のため撤収となった。

敗因分析

 途中でいちいちフカセタックルなどに替えずカゴ仕掛けのまま仕掛けを彼らと同じ方向へぶん投げればそれでよかったのである。タナは3本4本と深くしていけばいい。余ったこませを費消することも主目的の最終日の釣りなのだからそこは手持ちの資源をよく考えて臨機応変に対応すべきだったのだ。

 そしてフカセとして離島に対応したウキを持ってくることだった。エイジアLCでは大きさが小さくて激流には対応しずらい。2つ3つ持ってきておけばフカセタックルに換えてもまだ戦えたのではないか。

 今回の離島釣行は初日から数えると尻すぼみの結果となった。余程堪えていたのだろう。内地へ戻り年始のセールでまったく同じウキを入手した。

 キザクラのレッツ。10年以上前に購入してからご無沙汰である。昔に比べてラインナップがかなり増えたようだ。いくつかサイズと浮力違いがあったがこれ一つだけにした。大激流でどうしようもない時に登場いただけたらいい。価格は店頭価格から15%オフで1060円くらいであった。

 くやしさから学び人から学ぶ。それは仕事も釣りも人生もすべてにおいて共通のテーゼである。

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