時折り雪がちらつく厳冬の平戸である。丸銀釣りセンターの集合時間は3時半、出船は4時だった。私の名前が告げられ上がったのは上阿値賀島の北の鼻。私を含め2名が上礁したが.前日からいるのであろうテント張りの先客がいた。こんな雪の日の孤島でどんな夢を見ていただろう。磯は私を含め計4名となる。全員が上カゴのヒラマサ狙いである。日の出まで1時間半待つ。この待ち時間の寒さが身に染みる。
釣り座を決める。テント組は左の高場を既に抑えていたため、私と同じタイミングで来た地元のベテランは右の高場に陣取る。私は残る中央となったものの1番足場がいいからここでいいやんと思ったが、ここ(テラス)は被るから気をつけてと注意を受ける。まー被るようになるまではそこでもいいかもね とアドバイスも。被る?海にそんな様子は見当たらないが。地元ベテラン氏に彼のいる高場のさらに高場を薦められたがやりにくそうな傾斜がありテラスに決めた。
タックルはいまはなきダイコーの海匠遠投4-53 、廃盤になったトーナメント磯遠投5500の組み合わせ。カゴ竿はがま磯ヒラマサ天剛Hと迷ったが重くて疲れるので軽い海匠にした。磯遠投は現行のマグシールドモデルで性能は格段に進化しているかもだが、私は渋いデザインの前モデルが好きである。本体の色合い、無駄に長いハンドルとスプールのアンバランス感にぞくぞくする。
仕掛けはサンライン遠投KB8号、どこかの中古釣具店で買ったパイプ天秤、島根のかめやで買ったタルカゴの中サイズ。ハリスはサンラインのコング12号。パイプとタルカゴの組み合わせは全誘導のたっちゃん仕掛けとされているものである。がまかつの小島一文さんのblogでこういう仕掛けがあることを知った。
潮はいまは右に流れている。つまりテント組のコマセが高場のベテランに集まる格好である。ただしなぜかヒラマサを掛けるのは潮上のテント組である。私の方は開始早々イサキ。サイズは30センチ弱といったところ。またイサキ さらにイサキ。そして高場のベテランもイサキである。ということはヒラマサはいないということになる。
概略図を記した。黄=地元ベテラン氏 青=筆者 緑=若人 赤=名人でありおおよその投入地点を示している。釣れている左のテント組は75メートルほどの遠投だが私とベテランは投入地点がもっと岸よりなのである。
潮は右にいったり真沖に向かったり左に向かったりとわかりにくかったが午前9時頃を境に一律に左に行くようになった。後で気がつくことになるが左流れがおそらく本命潮である。そうなると左サイドのテント組のカゴにコマセが集まる図式となる。テント組はさらにヒラマサを掛ける。次第に一投して1匹のような確率になっている。一方で高場のベテランや私には強烈な竿のしなりはなく穂持ちで勝負がつく獲物ばかりである。
時間はどんどん過ぎていく。テント組は左の名人風の人が当たりまくっていたが彼の弟子のような若人も一本キャッチ。そして2本目を追加。すると右の高場のベテランも一本挙げた。地元の気合いである。そして一本もあげてないのは私だけとなった。