サンライン KONGはやめておけ
サンラインのハリスKONGの12号は尋常じゃないくらい絡む。このハリスの扱い方には慣れがいる。カゴヒラスには向かない気がする。ハリスをブラックストリームに替えて号数は6号まで落とした。ハリスのサイズに合わせてハリは青物用の12号だったが大型のグレ針に小さくした。
船長が見回りに来る。これからすこしずつ荒れてくるからと、回収は2時半とのこと。時間はすでに12時半となっていた。
テント組の名人風の方はもう10本以上釣り上げている。テント組の若人によれば彼はここでは有名な上手い方、言ってしまえば名人であるとのことで、釣り方を色々教わってみるのもいいかもと言われる。
おそるおそる名人に尋ねると、「せっかくきたけ、つらんば」(ことばが間違ってたらすみません)と言われ 「観音周りでできるから」と隣でやらせていただくことになった。テラスに居た筆者(青)は名人(赤)の左隣に移動した。
時間がないのでハリスもハリも8号と6号のダウンサイジングのままで仕掛けをぶん投げた。名人の仕掛けをさりげなく観察し彼も糸を使っていることを認識した。そしてカゴの投入点をチェックする。かなり遠投していることと、ヒラマサが出るポイントはかなりピンポイントということがわかった。
テレビの影響などでヒラマサはボイルを絞り手前から撒いて寄せて釣るという常識に縛られて過ぎていた。
がま磯ヒラマサ天剛Ⅱ Hが弧を描く
その間も名人はヒラマサ天剛ⅡH50を曲げていた。彼によれば「ヒラマサは12月までは水面付近でバシャバシャしよる。んじゃが、年明けるともうあがってこん。浮かんから」(方言適当すみません)そのため寄せるという感覚はなくド遠投のピンポイント攻めということらしい。そりゃ私やベテラン氏の場所からは釣れないわ。
名人の天剛Ⅱの曲がりに対してヒラマサ天剛の初代Hモデルはここまで曲がるかな?代替わりしてシャープな外観になっている。そして70クラスはグイグイ寄せてくる。
名人の仕掛けについて話を聞かせていただいてる最中、オープンベールのトーナメント磯遠投5500のスプールを抑えている左手人差し指にバチバチバチという稲妻のような衝動が走った。すかさず合わせを入れる。
安竿らしく元竿からぶん曲がる。だがそこは技術のダイコー。本気の竿作りの精神が込められたアイテムはしっかりヒラマサの引きに対抗できている。天剛Ⅱのような美しい曲がりとはいかないが海匠もそれなりにやれるのだなと感心した。
加えてタックルバランスが良かったのかもしれない。ハリスの旧ブラックストリーム6号は仕掛けがらみもなく柔らかい一方で強く、切られることもなく無事タモに入った。たもは名人がやってくれた。ありがとう。丁重に礼を述べた。
釣れ続けるヒラマサ
一本とれて安心した。1かゼロかは大きな違いである。だが残り時間が1時間半となるなか同じ投入点にもう一度ぶん投げる。名人が釣れたヒラマサを締めている間にまたきた。海匠の不思議なパワーで磯際までグイグイ寄せる。その間に名人がたもを持って待ってくれている。
だが今回はバラした。瀬際なので岩に擦られたかもと思ったが、名人によれば口切れではないかとのこと。たしかにざらざらした切られ方ではなく鋭利な刃物のような切られ方をしている。ヒラマサの口の付け根に掛かると切られることがあるそうだ。
気がつくと1時半。のこり1時間となったところで3回目のアタリ。「さっきのより大きいんじゃないですか?」と若人。今度は切られまいと念じながら寄せて若人のタモでキャッチしてもらった。気遣いできる人で本当に感心する若者であった。気持ちのいい釣りをさせていただき感謝である。
2時半回収。ヒラマサ2本と死んでしまったイサキ2枚をクーラーへ。ヒラマサは沖で締めてハラワタも抜いた。経験上、現場でここまで処理をしておくと魚体の腐敗が進行しにくくなると感じている。
港へ戻り翌々日の予約を入れる。今日は泊まるんですか?とベテラン師から問われるがまた明後日乗船すると答えると、瀬止まりすればタダだよ!みたいに冗談半分で言われた。
佐世保に泊まろうか、それとも長崎か。気分的になんとなく長崎市がいいように思えた。丸銀の民宿で三連泊するという福岡のルアーマンが、長崎市内なんてここから結構距離あるよ、と大変驚かれた。佐世保から見て長崎は隣町みたいなものかと思ったら確かに85キロもあった。だが時すでに遅く回収前に楽天トラベルで予約済みである。宿泊先はJALシティホテル長崎。
だが遠いことがわかっていたとしても、たぶんクルマを南へ走らせていたと思う。宮之浦の超自然を体験した後は本能で都市へ還りたくなるのかもしれない。それは大都市で日常を送る「とうきょうもん」が秘めるか弱さなのかもしれない。