もう生産中止となっているが、がまかつ・がま磯荷掛けⅡ。
今更ながら入手した。
そもそもこれって、いったい何に使うの?
要するに、荷物を掛けるもの。
磯は平坦ではないし、荷物を直に置くと、傾斜で海に落ちることがある。
それと、磯の上では、不意に波が押し寄せてきたりすることもある。強風に襲われることもある。
そのため、荷物を下におかず、上にぶら下げておけば、こうしたトラブルを避けることができるわけ。
メーカーの商品説明はこうだ。
「仕掛けを交換する際に便利な磯用荷掛け棒。軽量強化樹脂製竿掛け付属し、六角ピトンとクランプネジを採用することで荷掛け本体の回転を防ぎます」
(以上)
一読しただけでは、よく意味がわからない。
その意味を理解するには、初代の「がま磯・荷掛け」を把握することが必要だ。
「仕掛けを交換する際に便利な」というキーワード。
商品名は荷掛けだが、「軽量強化樹脂製」なる竿掛けが付属している。初代製品にはこの竿掛けがないのだ。
つまり、単なる荷物掛けとしてだけでなく、「竿も掛けられる」という優れものとなったのだ。
ところで、最近流行りのハンマータイプのピトンとは何が違う?
答えは、その重量。
「がま磯・荷掛けⅡ」は、軽い。
シャフトがカーボン製?外側だけカーボンなのかもしれないが、かなり軽いのだ
一方で、強度は大丈夫なのだろうか?ハンマータイプのピトンみたいに叩いても問題ないのだろうか?
がまかつに聞いてみた。
「叩いていただいてもかまいません。でも強くやられることは想定していない」
という。
シャフトが軽いからだろうか?六角ピトンだけハンマーで叩いてもいいのだろうか?
「いえ、ピトン部を痛める可能性があり、ハンマーでガンガン叩くのは想定していません」
とのこと。
この商品には想定フィールドがあるのだ。
「和歌山の南紀あたりの、低い磯場での使用を想定した商品です。そういうところには、いくつも穴が明けられている。そこに差し込んで使ってもらえたらと思うのですよ」
磯釣りの本場・南紀の沖磯は確かに低い。
チャランボを差し込む穴がいくつも明けられている。
そこに差し込むのだ。
関東の磯は関西と違って、富士山やらそこらへんのマグマが噴火した後の溶岩が固まった場所がほとんどだ。
溶岩の岩はきわめて硬い。
ピトンを差し込める隙間はあるが、関西のような、明確な穴が見つけにくいのだ。
関西の磯は隆起してできたところが多く、溶岩の岩に比べて柔らかい印象がある。
ちなみに、荷掛けとして、どれくらいの重量の荷物が掛けられるのか?そして竿もカゴロッドなど、重いものも掛けられるのか?
「想定重量は… ありません」
…つまり、そういうものとしてしか使えないということだ。
「がま磯・荷掛けⅡ」。
場所を選ぶ、ということがわかった。
なので、想定フィールドの人やそれに近い環境にある人意外は、必要はない。
ちなみに関東の磯なら、がまではないが、コレ!というアイテムがある。
黒と赤のラインに無条件で興奮してしまう、ガマラー以外は必携ではない。
以上