神子元島 釣行未遂4 VWパサート釣り車中泊仕様 SAでガン寝

(前回より続く)まあそんなどうでもいいことを考えながらハンドルを握り、東名を西へ降っていった。時間帯は既に深夜ではあるが金曜日のためか交通量は意外と多い。東京インター付近はこれからどこかへ出かけるであろう車やバイクらで賑わっていた。当方もどこかへ颯爽と出かける一台の筈だが肝心のハンドル捌きが危なっかしい。それはそうだ。慣れない職場で5連勤し(前職は自由な出勤体系だった)本日金曜日は10時まで上司にお付き合いしていたからだ。その場では私は全く飲んではいないから運転には支障はないが。帰宅して準備を一からしたため疲れが急に運転中に来たのだ。

3月の鹿児島以来、久しぶりにシマノのタフアンドウォッシュロッドケースを取り出した。ダイワトーナメント2-53HRとがまかつがま磯グレ競技スペシャルIII、そして初のフレックスタイプのタモの柄にYou Shiのチャランボを入れて意気揚々と出発したのだった。だが走行車線を走っていると危うく追越車線に侵入しそうになる。

 他の車は爆走している。わたしからみると爆走しているように見える。そんなに急いでこんな夜中どこいくの?そんなことを思いながらダッシュボードのスピードメーターを見てみる。なんと75キロしか出ていない。他の車はせいぜい100キロぐらいだろう。私の車は明らかに他所様に迷惑なレベルでトロい。

ところで自家用車のワゴンであるパサートヴァリアントは車中泊仕様としている。それ用に改造したわけではないが私はそう呼んでいる。釣りをするようになって当初は4doorのセダンだったが、車中泊を見据えてワンボックスのバンタイプにしたかったのだ。車高は低いもののルーフボックスを取り付けていることで長物の収納性を補っている。車高が高い車で釣り竿を天井に吊るすというルアー系アングラーにありがちなパターンが美観的に許せなかったのだ。当方が餌釣りメインという理由も大きい。

 餌釣りの人の場合、ロッドケースごと車内に吊るす人がいる。これも美観的に許しがたかった。なるべく臭いがするもの、汚れやすいものは車内に入れたくなかった。そこでバンにしてルーフボックスを別途取り付けた。寝るときは後部座席を倒してトランクと一体化させて、エアマットを敷いて寝袋をセットする。このセットでこれまで何度も氷点下でも寝ているし背中は痛くない。実際かなり快適である。真冬は大容量バッテリーに電気毛布を寝袋内に設置して寝る。これをやると少し暑いくらいである。

 眠気覚ましに途中サービスエリアへ立ち寄りレッドブルを1缶飲み干した。トイレで洗顔して歯ブラシしてさあ出ようかと思ったが、あまりレッドブルに効き目はないように感じたのかもしれない。このまま行くのは危ないと脳ではなく体が判断したのだろう。クルマに戻ってルーフボックスからAmazonで買った格安寝袋を取り出し後ろのシートを倒し出した。

そして寝袋にうずくまりそっと瞼を閉じた。それから獣のように深い微睡に陥った。

そして

 薄灯りとと共に行き交う人々の雰囲気を車の外に感じながら目を覚ました。時間は想像より早く進んでいた。

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