がま磯シリーズの中でも屈指の人気を誇るアテンダーⅡがモデルチェンジされ、遂にアテンダーⅢがラインナップ化されるらしい.そんな噂話は前からあるしがま磯ファンの期待も以前から大きいわけだが、既にテストは最終段階にあり2023年春にもがまかつサイドから何らかしらのアナウンスが行われるとのことだ。コロナ禍もあり新商品発表ペースが鈍っていたがまかつとしては再起をかけたビッグプロジェクトとなることは間違いない。
もっともなぜアテンダーⅡが今日までリニューアルされてこなかったのかということだ。大きな理由の一つはコロナ禍である。まず中国で委託製産しているロッドケースやバッグ・ケース類の国内在庫が尽きつつあるのだがコロナでここ2年ほど大した新商品もなかった。一方でがま磯ロッドはメイドインジャパンとはいえ使用する部品・部材が全て日本で調達できるかというと常識的に考えてそういうことはない。仮に新商品として大々的に発表したところでモノが不足しては商売にならず、販売するには質の担保と量の確保が両立せねばなるまい。そこでコロナが収まるであろう来年からというわけだ。
スーパープレシードとアテンダーⅢの棲み分け
そして気になる部分としてはブランドの棲み分けという点だ。現行のスーパープレシード(2021年発売)はインテッサの下に置かれた当時8万円前後の価格帯だったプレシードスペシャル(96年頃発売)を復活させた形だ。だがこの竿はプレシードスペシャルの復活であって後継モデルではない。プレシードスペシャルの後継モデルは00年前後に発売されたレイダムで、レイダムの後継がアテンダー(発売期間=03年〜2010年)となる。長いがま磯の歴史の中で、過去の系譜を辿れば現行モデルとしてスーパープレシードがあるということはアテンダーは出ないという理屈が成り立つ。
松田稔さんの存在
ただし物事にはタイミングというものがある。現行プレシードが押し出しの弱さと価格の高さでそこまで大して出てはいない、という現状でアテンダーの名跡を無くすのは勿体無いだろう。プレシードとアテンダーが併売されていたところで誰も困らないからだ。九州ではどうなのか知らないが、プレシードと言われてもあれ?そんなのあったっけ?プレリュードですか?それは日産か。そういえば昔ありましたねえ‥ みたいな存在で復活復活と大騒ぎしたところで25年前なんて誰も覚えてないし竿の感覚なんてものは忘れ去られるものである。
一方のアテンダーは初代の爆発的人気の勢いそのままに二代目が生まれその二代目も成功した。プレシードなどと異なり関西や四国 九州だけでなく東日本でも知名度と人気は高いのだ。そしてアテンダーといえば開発に携わってきた松田稔さんの存在だ。ご高齢でもあり最後の一仕事としてアテンダーの新作に力を入れられていてもおかしくはない。ただし実態としては松田さんの弟子らが取り組まれているのだとは思うが。
気になる価格帯
現行製品では松田さんの弟子らが開発したデニオスがある。この竿は細身肉厚設計という謳い文句で胴調子ということもあり少しだけ初代アテンダーを彷彿とさせるロッドである。価格も初代アテンダーぐらいだったかなあという価格帯でもある。スーパープレシードとデニオスはアテンダーⅢ発売までの繋ぎだろう。そう考えると両モデルは新しいアテンダーのパイロットモデルで、大々的なモデルチェンジを失敗に終わらせないための市場調査も兼ねているのではないだろうか。
気になる価格帯だ。低号数はプレシードよりも低めの価格帯として、マスターモデル尾長よりも安価とし、9万円から11万円程度となるのでないだろうか。