鹿児島•甑島釣り遠征4 潮流れず苦戦 双子島某磯 マスターモデル口太 激渋のなかの一尾へ 

 2022年3月中旬。もうじき桜が咲きそうな南国の鹿児島県甑島列島の上甑島である。渡船屋とは前日の夜に渡船の場所や時間を打ち合わせていた。渡船の時間はすこしのんびりとなる朝8時。朝出発が遅ければ良さげな磯が他の人らに取られてしまう。だがこんな辺境の島でそこまで混まないだろうと私は勝手に思っていた。朝はのんびり朝風呂に入り昨日の酔いを覚ましていた。

 渡船の荷物。ロッドケースにキーパーバッカン、40バッカン、タックルバッグの四つ。クーラーは宿に置きっぱなしである。何か獲物があれば氷を買って魚を入れればいい。渡船の迎えがきた。客は私1人である。

 渡船は東京からの出発前までは串木野の渡船屋と連絡を取り合っていたが、甑島に泊まりの客は島にある渡船屋が客を乗せるらしい。串木野の船は串木野からの客だけ乗せて既に瀬渡ししたようだ。一方の里港にはその地元の船が迎えに来てくれた。昨日釣具店で紹介された船だ。写真奥に見えるのが今日からあと2泊もするホテルエリアワン甑島だ。渡船の乗り降りがホテルの前とはなんと楽で贅沢なことだろうか。レンタカーも不要で余計なコストが掛かっていない。この旅行、食事はついてはいないが羽田発着3万円台という破格である。

 渡船はのんびりと沖を目指していく。それもそのはず里の港から目指す磯は近い。海の状況は大人しい。波やうねりはさほどでもない。ただ風が少し気になる。

中央の聳り立つ岩が松島、その右脇のなだらかな低い磯が後程昼過ぎに上礁する名礁ヘタママコだろうか。

 いまはそうでもないが午後にかけて強い南が吹く予想。船長とは明日の渡船は難しいかもと言われる。まぁそういうこともあるかなと堤防での釣り動画も準備してきた。沖磯は初日だけでも満足としよう。船は少し進んで釣り人が乗る磯が見えてきた。

3月半ばというグレ釣りシーズンとしては終盤かあるいは地域によっては終わっているのだが。実際みると結構な人の数である。みな串木野から来た客である。

 釣り人のいでたちを見ればその土地の磯釣りとの関わり合いがわかる。東だとダイワ シマノ がまかつ サンラインとだいたい等分にわかれるような感じだが、ここではほぼサンライン。なんとか会の例会だろうか?メーカー単色に染まった磯はまさに西日本を感じる瞬間だ。

 降ろされた磯。名前は何かあるのだろうか?聞いたかもしれないが忘れた。狙いは手前の狭いワンドということだった。まずはマスターモデル口太MHを用意。リールは3000LBDでスプールは2500番。ライン3号。ハリスは太めの2.25号だ。だが魚からの反応がない。魚はいるんだろうか???

 そしてコマセをガンガン撒いていると1発目の大あたりが来た。が、そのあたりは強烈でありマスターモデル口太MHではすぐにのされてバラした。そしてすぐにもう一発きた。丁寧にやりとりしたはずだが今度は根に潜られた。ゆっくり引っ張ったがいったいなんの魚なのか。多分グレではあるとは思うがあまりにもパワーがありすばしっこい。

 船長によれば一時に迎えにくるという。一時は上がりではなく磯替えとなる。これから南が強くなる予報で風裏に移す算段のようだ。

 加えて串木野の客は先に帰るが島の瀬渡し客は日没近くまで釣りができる。朝遅くて帰りも遅目。そういうルール、棲み分けのようだ。そのため串木野の船が回収した場所に島の客は上がることができるのだ。ワンドの釣りというのも離島感がなくてあまり面白いとは思えない。餌をセーブしつつ磯替え後の釣りについて思いを馳せていた。

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