しかし何も反応がない。
朝から来ている5人組も首をかしげる。
「朝6時からやってますが、朝の1時間だけです。釣れたのは。あとはさっぱり」
「どれくらい釣れました?」
「いやー《ツ抜け》はしてないです さっぱりですよ」
とさっぱりとした表情で答えるのだった。
ツ抜けとは10匹超えのことである。
ちなみに釣り座は、赤が5人組の概ねの配置で、私は黄色である。
北側に投げると非常に浅いので、やや北東側に20mほど投げてみる。
しかし、ウキに何の反応もない。
アミエビを詰めては投げ、回収し、詰めては投げ、回収する。
ただエサを海へ消費するだけの時間が過ぎていく。
5人組でもっともベテラン風の人物が、慣れた手つきでアミエビをコマセカゴに詰め、投げている。
あまり、距離は投げない。
だいたい、5~10mくらいだ。投げ終えたら竿を煽るまでもなく、じっと待っている。
コマセカゴはロケットタイプではなく、ふつうの網のカゴだ。
これにプラスチック製の中が空洞のぷかぷか浮きをつけている。
錘は5号程度のナスをサビキ仕掛けの下にぶら下げている。
そして仕掛を投げ入れたらそのまま放置だ。
私はロケットカゴしかもっていない。
コマセの同調時間が短く、手返しが必要となる。
しかしこの風だ。まったくカゴ釣りには不向きである。
そこで奥の手。カゴつりはやめた。
投げに変更しよう。
遠投4号ロッドに天秤30号、セイゴバリ14号にアオイソメぶらさげて、そのまま50m沖にぶんなげてみた
すぐに反応が。
正体はチャリコであった。
こんなチャリコが数釣れて行く。
5人組のリーダーが笑顔で話しかける。
「それくらいのサイズのチャリが多いでしょう!こまるんだよねーエサとりが」
この前の隠岐とおなじような状況になってきた。
チャリコばかり、10匹は釣れた。
しかし…何投かしているうちに、竿尻が浮くアタリが!
これはでかい!
ばらさないように、慎重にやり取りをする。
あがってきたのは
「真鯛」
とはいえないサイズの、30cm弱のチャリコだった。
タモをもってきてくれたリーダー格が「おお食べごろサイズ!」とフォローを入れてくれる。
その後、サビキ釣りの真骨頂をみた。
リーダー格が40cm前後のマハタを釣り上げたのである。
サビキに掛かった鯖かいわしを食べたか?いやそうではないようなのだ
連日釣り人がコマセを撒いている
それにマハタも慣れてしまっているようなのだ
最後にびっくりさせてもらった
17時、納竿となり、赤灯を後にした。
《17-18シーズン初 野島・赤灯アジ狙いで真鯛?完》