房総太海釣行② 鴨川太海アマゴイ→H市→F市

 普段の釣りで付餌はコマセ用と同じ3キロ板から取る私であるが、今回はバッカンに新兵器のマルキューのエサバッカン「マルキューエサバケット22EX」を備え付けている。その使い勝手を試すがために木更津で昨年開業の釣具店「 Tポート」でつけ餌のパックを2種類ほど購入。これだけで1000円近くもした。これならオキアミ角買ったほうが良くないか?

 そしてマルキューのマゼラー「パワーマゼラーMQ01」である。なんだかマルキューの宣伝みたいになってしまった。

 バッカンの中の見苦しい写真になるが、このマゼラーは以下の写真の通り1分もたたず一気に混ぜられる。軽さ、そして全体のバランス、持ち手の太さ、エッジの抜け感すべてが高バランスである。私がこれまで愛用していた、タカ産業のエサスコップから一軍の座を奪い取った。

パワーマゼラーMQ01

 場所は太海沖磯の1.5級磯的位置付けのアマゴイである。太海のなかではけして悪くない磯だが私が苦手なせいもあるのと加えて状況も悪くなかなかに釣れない。

太海 アマゴイ

 隣のフリーの釣り師が30クラスの口太を釣り上げる。彼によればタナは竿2本だという。この日面倒くさがりな私は4尋ほぼ固定であった。そこで私も竿1.5本まで下げてみると

 こともなげに釣れた。が、小さい。検量サイズは23センチぐらいだっけ?そこに満たない小型の尾長が群れているようでそればかりかかる。そして1000潮止まり。

 おなじアマゴイの仲間のところへ偵察へいく。途中低い場所がありうねりが回っていて足元を簡単に洗っていく。仲間も釣りに苦戦していた。すると仲間は完全にウキを沈めた釣りを始めた。ダイワを引退した鵜澤さんの2段浮きで上のうきも沈めている。そして竿を曲げている。底付近まで相当深く沈めないとくわないねー といいつつ38センチ。この状況でさすがである。

 色々あって暗い気分の私もなんとか気を取り直し釣りを始めるが竿はあまり曲り込まない。1.25号相当の胴調子ロッドが、2番までしか曲がらない。

 足裏サイズ。1300南のうねりが強くなり小島が危険な状態となり全体撤収となった。

 小島では真鯛や40オーバーの口太、それなりに大きなイサキなどがでて賑やかな釣果であった。表彰式を観覧席側で終えて帰途に着く道すがら、H市の某組織から一本の電話。土日でいいですよ、もしよければ明日の日曜いかがですか?そのような連絡であった。釣りの翌日ということもあり迷ったが向かうと答えた。どうせスーツを着るのだからと、朝は会社へ行き、その足でH市へと向かうこととした。

 日曜日の朝の職場は全くの無人であった。時間管理しているからとパソコンは立ち上げてはならぬとのお達しがあったので、携帯端末でイントラネットに接続。静謐な環境で落ち着いて業務の流れを確認した。

 するとこれまで抱えていた悩み、疑問が少しずつ氷解されてきているのを心の奥底に感じたのだった。例えるなら授業についていけていない勉強不足の学生が、復習を丁寧にしてはじめて理解に至り良い方向へ回り始めている。これまでの八方塞がりはこうしたことに時間と労力を費やしていなかったということだった。それだけだった。在席は2時間半ほどだったがそれでも十分だった。脳裏に光明が刺していた。

 物事に対するあらゆる見方のすべては思い込みであり、経験則といってもそれは理屈に基づく分析ではなくただの感情である。そのため何かのきっかけで状況は一瞬で切り替えられるのだ。

 この後のH市の予定はキャンセルしてもいいかと思えた。

 たがこれも人生勉強と、指示時間通りH市へと向かった。担当者とその上長と話をする。会話の中で予想だにしていなかった引っ掛かるワードがあり、それは大袈裟に言えば死の可能性を示唆するものだった。

 帰り際職員のベテランらしき方から声を掛けられた。外に出ていた職員のみなさんに見送っていただいた。その笑顔の裏にはある種の覚悟が備わっているはずである。彼らは自らを接客業と言っていたがそれは上辺に過ぎず真実は別にある。

 KH駅から電車に乗り込む。途中F市の駅で降りてかつてジブリ時代にお世話になった他のスタジオの大先輩と一緒に行った店へと向かう。

 H市に向かった時点で気持ちは切り替わっており、この時もけして俯いてはいない。顎を上げ張り出されたメニューをみながら酒とつまみを嗜んでいた。

 するとテーブルをどんどんと叩く人。本当に偶然にそのジブリ時代の別のスタジオの大先輩が現れたのだった。同じ席で向かい合って一緒に酒を飲んだ。なぜここにいるのか問われたので、Hの現場へ行く用事があったからと咄嗟に答えたのであった。大先輩は少し怪訝な表情をみせつつも酒は進んだ。会計は安居酒屋ながら私の分だけで6600円。先輩は7500円。話が随分弾んだのだ。

 この週から少しずつだが躍進のフェーズがスタートしていく。先にアップした記事シリーズ「大阪と三重の邂逅」はこの翌週の出来事であり時系列的に逆転している。

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