伊浜「カゴオケ」とマスターモデルⅡ口太
3月後半の日曜日。伊豆半島の西側、南伊豆エリアになるのか西伊豆になるのか分からないが、伊浜に来ている。どっから来ても最も遠い、「伊豆半島の最後の秘境」である。
渡船は「宝洋丸」。金曜、土曜日のウネリの影響で出船を見合わせる可能性もあったが
8時となって無事に出船した。船長は2時間待たせて申し訳ないと、ふだんの回収は15時のところ、今日については16時とさせていただきたいとの熱い申し出があった。これには磯師一同マヅメが出来ると喜んでいた。
磯は昨日、一昨日のうねりの影響があるので、その全てには乗ることができない。そのため通常は20人ほどの予約の枠を10人ほどと制限していたようだ。
船長からの指示で磯へ降りるが、私の磯は「カゴオケ」という場所のようだ。船は赤島で3人を下ろした後、私の名を告げられる。
赤島から移動してくるとかなり奥まった場所に位置している。それだけで釣れない雰囲気がプンプンしている。地元の客に聞いたが彼らでも乗ったことがないという磯である。
それもそのはず、地図をよくみると沖磯ではなく、地磯だからである。もっとも地磯といっても断崖絶壁の下にあるから往来はできないが。
船長は船着か赤島向かいでやってください、今日はその場で粘ってくださいとアナウンス。四時上がりは有難いがここかよと少々落胆はしていた。
だが水面を覗き込むとなかなか水深もありそうで、潮の流れは地方(じかた)につきほぼないが、弱い潮が3方向から絡み合い、洗濯機の弱程度の渦巻き感がある。もしかしたら、もしかするかもしれない。
赤島向きに釣り座を取る。赤島もけして一級磯ではないが潮はここより通るだろう。羨ましく感じた。
タックルを準備する。
ロッド がま磯マスターモデルⅡ口太MH
リールライン サンライン オシャレ2号 トーナメント競技
ウキ エイジア0アルファ タナ1.25本
ハリ テクノグレ5号
ダイナミックな伊浜の磯
ヤバいのが生命反応が全くないことだった。付餌がそのまま残ってくる。そして水温の冷たさだった。今朝までの雨でかなり冷えているのではないか?
少なくとも餌取りは皆無である。潮も流れておらずこれは大変なタイミングで二級磯があてがわれたと残念な気持ちになった。
伊浜はあまり魚数が出る場所ではない。近隣の沖磯群と比べて魚影が薄い気がする。
だがこのダイナミックな風景は格別であり、柱状節理の高低差のある変化が大きい磯は日常の磯に飽きた磯師には格別な何かを与えさせてくれる。
釣り物は多彩だ。有名な石鯛場でもあるのでメジナ以外のバラエティ豊かな狙い方が可能である。フカセで石鯛が釣れる、なんてのは伊浜くらいじゃないか?確かに次の日ウルイでフカセに2キロの石鯛が来たし
時間は1015と2時間もアタリはなかったが、我慢しながら1発は来た。エイジアがモゾモゾ行っているのを合わせたのだ。かなりの引きで右へ左へ走り回る。
正体はこいつだった。潮が流れない時に釣れる魚笑 だがパーフェクト坊主は免れただけすこし安心した。
突然の真鯛の出現に痛恨のバラシ
その20分後。満潮となる潮止まりの前後となる時刻にもう1発。かなりでかいやつがきた。こいつは一気に沖へと走っていく。真鯛だ。レバー操作でしっかり溜める。ハリは懐の大きいかかりすぎ口太4号に変えていた。
だがふっと軽くなりハリハズレとなった。これはタカノハだったかもしれないしその割にはよく引いたのでたぶーんということで真鯛だったろうか。
そして1100。船長見回りの直前にブタイをキャッチした。この後ブダイを立て続けに釣ることとなりこちらの個体はリリースした。
1130船長見回り。磯代えできるのかと思いきや、今日は終日そこで頑張ってとのアナウンス。
始めはどうなるかと思いきやなんとか魚は掛けたので悪くはない。1600までコマセをコントロールしながら粘り強く釣りをしようと心に誓った。