伊豆・下田沖磯「沖横根」で連休の磯釣り2 渡船編

渡船場所が分かりにくく駐車場が狭い手石港

朝は0530集合、渡船は0600ということで白浜は0430に出発した。白浜からだと弓ヶ浜近辺は意外と距離がある。弓ヶ浜と南伊豆方面で道が別れる場所にセブンイレブンがあり、そこは早朝から釣り客で混み合うド田舎にしては高規格の有名なコンビニなのだが、そこで水だけ買ってあとは何も食事は持たずに手石港へ到着した。

 が港に船がない。おかしいと思ってひがし丸へ電話をかけると、あの時手石港とは言ったけど乗船場所はそこの船溜まりではない、南伊豆漁協の直売所の裏手へ回れという。確かに直売所はあったが裏手と言われても何もないだろ?と一瞬思ったが、よーくみると国道の脇に非常に小さな切れ目があり、その切れ目に見えるのは青野川なのだが、、川の手前ぎりぎりを左へ車が入っていけるのだという。

暗闇でもありハンドル操作を間違えたら今にも川に落ちそうな感覚だが、、言われた通りギリギリで入っていくと渡船やら遊漁船やらが並んでいるのが見えた。傍には磯ファッションで身を固めているいつもの光景が広がっていた。

ひがし丸(2023年1月8日)

目指す渡船はすぐにわかった。だが車を止める場所がわからない。常連らしき人に声をかけてみると、そのへんどこでも良いんじゃないですか、などと言う。だがどこでもと言われると逆にわからなくなる。とりあえず磯荷物を車から下ろし、まだ乗っていない客がいますよとアピールのためひがし丸の前に積み重ねておいた。すると中から船長が出てきて、車はここはもういっぱいだから国道の崖の下に置いといて、そこなら違反に取られないからと言われる。

 と言われましても、この狭くて川から落ちそうな場所をバックで出るんか?ぶつけそうな嫌ーな予感がする。船長によれば、バックしなくても直進でぐるっと回りこめばそのまま国道へ出られますから、とのこと。ルート確認のため下見をすると、車が通れるスペースは幅2m強しかない。しかも岸壁を90度左へ曲がりさらに右へ90度曲がるという結構運転テクニックが必要な道筋である。運転初心者だと本当に怖いと思う。だが当方は一応は運転歴うんじゅう年のベテランである。テクニカルなルートをぎりぎり伝ってなんとか国道へ脱することができた。

三軒屋渡船「BLACK ENGEL」

ひがし丸は比較的小さな船なのだが、隣にいたドス黒い船の威圧感が半端ない。その船には船名が「BLACK ENGEL」と銘打たれており、黒い服を着た釣り人たちが満載されているのが見てとれた。立ち込める海霧に佇むその船の威容から、田舎へ行くとしばしば見かける暴走族あるいは愚連隊に遭遇したような気持ちになった。ちなみにこちらのブラックエンジェルは神子元島への渡船なのだという。

三軒屋渡船ブラックエンジェル(2023年1月8日)

三軒屋渡船さんか。神子元でいっぱい釣ってきて下さい。今度乗る機会があればお世話になります。

三軒屋渡船ブラックエンゼル(2023年1月8日)

常連のおすすめのままに「沖横根」

 沖は予想通りとても穏やかである。うねりもなく風もない。沖磯特有の荒々しさは今の所は感じていなかった。 さてどこの磯へ渡されるのか。渡船は概ね2タイプあり、船長判断で個々の磯をあらかじめ割り振っているところと、客の希望を聞くタイプの2タイプがある。このひがし丸はリクエストタイプであり、客に希望を聞いているようだった。というかそもそも磯割がされていないからリクエストということになる。

手石港から10分ほど船を走らせて横根へ着く。すると他によその渡船がおり、渡礁を今か今かと待っているように見えた。それがある時間なのか、何かをきっかけに一気に磯付けがはじまった。これが有名な下田沖磯の磯付け競争か。船内は戦場のような雰囲気になる。横根が最も人気のようでよその船に負けないよう船長が必死のドライビングテクニックを披露する。今は風もうねりもないから酔わないけれどそう言う時はどうなってしまうのだろう? そう思いながら私も磯へ渡す他の人の荷物の受け渡しに加わる。

  無事横根への磯付けが終わり、船長の話では次は沖横根のようだ。「オキヨコ、行く人いる?」私は船尾のベンチで常連と話していたが、彼から沖横根で降りなくていいんですか?などと唆されるような言い方をされる。彼らはその次の石取根だが石取はそこまで競争はない場所であり、行けるなら横根か沖横根がいいですよ、ということのようだ。

 すかさず手を上げた。するともう1人の一人客の人も沖横根で降りるという。2人希望者がいたということで船長は沖横根へと船を進めた。

沖横根は他の渡船も同時に磯付けしその船からも2名が降りて総勢4名の上礁ということに相なった。船着は非常に足場が良く、東側となる。この場所で釣りをすれば午前中は陽気のため体が暖く過ごせそうである。それで釣れればいいのだが。

荒井注

ところで一緒に沖横根で降りた方はどこか往年のスターである荒井注のような雰囲気があり、次回の稿では仮に「荒井」さんと表現させていただこう。

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