covid19 顛末

 その日は朝からグーチョキパー子の様子がおかしかったらしい。火曜日いつものように登校したところ午後に担任の先生から連絡。微熱ありとのことで保健室にて休ませてあるができれば帰宅させたいと言う。わたしは仕事であるから急遽パートのカペリンが迎えに行き医者へ連れて行くと抗原検査でコロナ陽性とのことであった。症状は鼻水、発熱、嘔吐。

 小生も濃厚接触とのことで職場に伝えたところそのまま午後から帰宅となり在宅勤務を申し渡させられた。いつも私に話しかけもせず目も合わさない総務課長がツカツカとわたしに近寄り声をかけてきた。「濃厚接触とのことであまり長くいられると感染リスクも上がるので」総務人事として当然のことをしたまでだが言い方はストレートそのものである。数字で評価されることのない事務系社員ならではの人間関係が待っていた。

 テレワーク環境は部下に特別に用意してもらった。4月から段階的にテレワークを導入するようだがいい予行演習になった。もっとも小生とカペリンの体調について水曜、木曜はなんともなかった。が金曜からちょっと様子が変わってきた。まず喉の痛みが少しづつ出てきた。それと熱っぽさ。予防のためのパプロンが効かなかったか。私は抗原検査で水木は陰性だったが金曜カペリンが陽性となった。グーチョキパー子だけを完全に隔離とはなかなかいかないのである。抗原検査キットの在庫は使い果たしそれ以降の陽陰性は不明。

 体調にはっきりと異変が現れたのは土曜日だった。午前中はなんともなかったが、午後に徐々に気分が悪くなった。その日の昼過ぎ以降はベッドで唸るように寝た。なにもやる気が出ないのである。翌朝まで暑さでベッドの上でグルグルしていた。

 日曜日は多少は良くなったような気がしたが外気温が寒かった。症状は倦怠感と熱ぽさだけであまり咳も痰もない。夜は強い悪寒がしたが布団を厚くして寝ることができた。カペリンとグーチョキパー子には下痢症状がひどく出たそうだが当方には影響なし

 月曜日がもっとも辛かった。特に悪寒。そして痰の量が増えた。痰は錆色といえばいいのか、くすんだ黄銅色のようだった。夜中にのどにたまり朝起きると端が飛び出した。昼も吐いた。普段の風邪でも痰はほぼ吐かないのに平常時の3倍くらいの塊ででる。体温は朝の時点で39℃。だが非接触式だと平温である。体温調整が麻痺していたので終日まったく汗をかかず着ていた服はキレイだった。お通じは問題なし

火曜日は下着は変えたが昨日と同じ服を着た。まるで今朝おろしたかのようでなんの違和感もない。悪寒はすこしはおさまったように感じる。咳は多少でる程度。咳したい時は席を立ちトイレに篭って一気に咳き込んだ。気になるのは肺のあたりの痛み。この痛みについてカペリンから気になるなら循環器内科へ行けばといわれた。

雨の中探して行ってみたらあいにくそのクリニックは休診であった。ほかに近くに無いかと探して辿り着いた先は消化器内科だった。私の脳裏には「器内科」しか見えておらず間違いに気がついたのは後述する老医師の接客を経てである。体温は非接触で36度。ここをチョイスしたのは私のせいではあるのだがトンチンカンな診察を受ける羽目になった。

老医師は終了間際の駆け込みに迷惑そうな雰囲気を一切隠そうとしなかった。レントゲンは用意はあるが電源を落としたので付けたくない、肺はそんな急に悪くなんない大丈夫、夜7時だしわたしはもう疲れてる、次来る時は平日朝来てください、と神保町消化器内科の老医師は述べた。診察後会計を待つ間に先に医師は帰って行った。処方箋は破り捨てた。

 体温は夜に36度に下がっていた。だが神保町消化器内科の医師の受診でふっきれたのか妙な安心感が沸いたのかプラシーボなのか知らないが気持ちが解き放たれたようだ。夜はビールロング缶と酒を半合。ホウボウ刺身。お通じは問題なし

 水曜日朝起きるとこれまでと異なり比較的健康な汗を掻いていた。ベッドは厚さで転げ回ったあとがある。体温調整が戻り少しは良くなったのだろうか。お腹を下したがこれはコロナではなく昨日の生魚が原因とみた。痰の回数と量が減り色は昨日までの黄銅錆色から白へ変化した。夜に着替えると半日の働きによる脇汗をしっかり掻いていた。咳についてはむしろ増えた。がコロナの残り香のようなライトな喘息のような代物である。いつもの銭湯へ夜出かけ生ビールを呑んだ。

 木曜日は大事な全体朝礼だ。

 

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